回顧録2
2声1Lゲ
18:30抜錨。
先週オープンできたカメラルーティンを引っ提げて、いつもの西口駐車場よりin。
この場所からペデストリアンデッキ→アーケード→国分町周辺をゾンビのように徘徊するのがいつものルート。
デッキに到着するまでに数人、素敵だなと思った女性とすれ違う。
でも自分の主戦場はここじゃないからとスルー。
デッキに到着し、西口前をうろうろする。
やっぱり声を掛けられない。
1時間程地蔵をし、30分ほど同じ場所に座っている女性にやっとのことで声掛けをする。
とにかく堂々と。全力で取り繕え。と自分に言い聞かす。
一秒くらい目の前で仁王立ちをする。今考えるとその様はシンプルに変質者なのだが、声かけのフレーズが飛んでしまっていた。
目の前で仁王立ちされたら、ズボンを下ろして下半身を露出する事を期待される世界線だったらよかったのにな…(ちんこはちいさめ)
「こんにちは」
『えっはい』
「(反応があるだと!?)カメラ練習中の者なんですが―(以下カメラルーティン、カフェ打診)」
『今友達待ちで、すみません』
「もし後で暇になったら連絡ください」
LINEゲ。山形から友達に会いに来たらしい。てことは後で暇になるなんてことはないだろうなと思いながらも挨拶+ブメを飛ばしておく。
統計は取ってないけど、声掛けさえできれば結構な確率でオープンする。
地域柄なのか自分の見立てがいいのかわからないけど、ありがたいことだ。
ただしトーク中にそのあとの打診フレーズとかが全部飛ぶ。テンパってんだろうなぁ。
そこから勢いに乗りたい自分は直後にもうひと声掛け。
これは無反応。
たぶんこれが選び地蔵というやつなんだけど、いろいろといけない理由を見つけては声掛けできずに終わる。それが続くとテンションと体力が削られる。以下無限ループで詰むのが毎度のパターンである。
22時頃にスマホが震える。
『(かくかくしかじか)、今日だけ友達のお店で働くことになりました。よかったら飲みましょう』
営業かよふざけろ。いくわけねーだろ。俺をカモにすんな。
「なんてお店?」
ドアの隙間の暗闇から、非モテコミット君に手を引かれた感じがした。
この時の心理状況を整理すると、
・カモられてるのだろうか
・本当に新規入店なら客もつかないかも、1対1で話せるな
・ここで断ったらこれっきりか?
・好奇心、勉強代と割り切るか
・今日に限って財布にお金入ってる♡
経験という言葉を後ろ盾にして、行く理由を探してた。
延長しないように閉店一時間前に入店すると連絡した。
狭い席、綺麗に着飾った山形子。大きく開いた胸元が判断力を鈍らせる。
たかすはキャバなど諸風俗店が苦手だ。コスパが悪いし、後に何か残った試しがない。
あとキャストが変わる度にする初めまして~のくだりが本当にめんどくさいのと大げさに褒められるのがなんか気分悪い。
「なんであの時話聞いてくれたの?」
『すごい堂々と話してくれてたじゃないですか、それがすごいなって』
一応は演じられていたみたいだ。これは収穫だった。
他には美容師になるために仙台に引っ越してくること、酒が好きなこと、被写体の協力をしてくれること、いろいろ雑談をした。途中色目を使われた時もあった気がする。
アフターに誘ったらさらに搾取される気がしたのでやめた。
思い返すと最終的に打診しないのになぜ店に来てしまったんだろうと思った。
きっちり指名してしっかり飲まれて無事27kを店に献上した。
残ったのは多大な後悔と山形子への希望的観測。
ちょいちょいやり取りをするも営業の雰囲気がして、かわしていくうちに死番した。
けっこう自分が嫌になった。